アンティークコイン 1474-1504年 スペイン カタルーニャ フェルナンド&イサベル 2プリンシパル金貨 PCGS-MS63
発行年:1474-1505年
発行国:スペイン(バルセロナ造幣)
鑑定機関:PCGS(Professional Coin Grading Service)社、鑑定枚数1枚
グレード:MS63(トップ1グレード)
重量:7.04グラム
直径:28.5ミリ
■ 歴史的背景
この金貨は、スペイン黄金時代を象徴する「カトリック両王」、フェルナンドとイサベルのダブル・エクセレンテ金貨のデザインを模倣したものです。
鋳造されたのはカタルーニャ地方バルセロナで、当時この地域の自治を保ちながらスペイン王権に従属していた特異な政治的背景を反映しています。
フェリペ2世治世下で鋳造されたこのタイプの金貨は、17世紀初頭のフェリペ3世、フェリペ4世の時代にも継続的に発行されていましたが、状態良好な現存品は極めて希少です。
■ 意匠の魅力
表面:フェルナンド王とイサベル女王の向かい合う戴冠胸像。
王と王妃の間には輝く星が2つ輝き、カトリック両王の統一と栄光を象徴しています。
文字は「FERNANDVS. ET. ELISABET. REX. ET. REGIN」と刻まれ、三角形の打点が中世的美しさを強調します。
裏面:「SVB VMBRA ALARVM TVAR」(あなたの翼の影の下に)という聖句の一節。
中央にはカトリック両王の紋章が王冠とともに描かれ、背後には聖ヨハネの象徴たる双頭の鷲が翼を広げています。
■ Gold Coins of the Worldによる評価額
VF:4,500ドル
EF:8,000ドル
※評価額は長年更新されておらず、現在は上昇している可能性が高いです。
■ グレーディングとコンディション
本品はPCGS MS63と、世界唯一の鑑定品(Top Pop)です。
打刻は全体として力強く、特に中央意匠の輪郭は鮮明。5時位置にわずかな打刻弱がありますが、視覚的にはほぼ完璧に近い保存状態です。
広いフラン(地金)に加え、金貨ならではの深い黄金色のパティーナ(自然な酸化光沢)が現れており、時を経た気品を放ちます。
■ 希少性と投資的価値
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世界唯一のPCGS認定品
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同タイプの金貨は、極めて流通数が少なく、オークション市場でもほとんど出回りません
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「フェルナンドとイサベル」の象徴的肖像は歴史的・美術的価値が極めて高く、ヨーロッパ王室コレクションや宗教芸術との親和性も強い
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スペイン王家、カタルーニャの地域史、宗教統合の象徴、すべてを物語る一枚です
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