アンティークコイン 1727年 ドイツ ハンブルク カール6世 2ダカット金貨 NGC-MS63
発行年:1727年
発行国:ドイツ'(ハンブルク)
鑑定機関:NGC(Numismatic Guaranty Corporation)
グレード:MS63(トップ1グレード)
TOP POP(最高鑑定品):同一コインの中で最も高いグレードで登録されており、NGCポピュレーションレポート上でも「唯一無二」の存在です。
※市場において「TOP POP」は投資家・収集家双方にとって最も評価される指標の一つであり、将来的な希少性の高まりや価格上昇も期待されます。
重量:6.93グラム
直径:29ミリ
品位:98.6%金
■ 歴史的背景
本品は、神聖ローマ皇帝カール6世の治世下、1727年にドイツ北部の自由都市ハンブルクで鋳造された2ダカット金貨です。
ハンブルクは、中世よりハンザ同盟の要衝として繁栄し、独自の貨幣鋳造権を有していた都市国家であり、本コインはその経済的・政治的自立を象徴する重要な遺産です。
発行年の1727年は、神聖ローマ帝国の権威が形骸化しつつあった時代にあたり、帝国の名の下で各都市が独自の貨幣発行を通じてその地位を誇示する重要な局面でした。
この2ダカット金貨は、通常1ダカットよりも希少性が高く、流通目的というより贈答や記念として鋳造されたものが多いため、現存数は極めて限られています。
表面: ハンブルク市の紋章、都市の象徴を鮮明に刻印
裏面: 神聖ローマ皇帝カール6世の名義
■ コレクター・投資家にとっての価値
この金貨は以下の3点で際立っています:
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歴史的背景の深さ:神聖ローマ帝国とハンブルク自由都市の両者の存在を象徴
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希少性:2ダカット金貨の現存数は極めて少なく、さらにMSグレードは稀
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投資性・市場性:TOP POPのステータスを持ち、長期保有での価値向上が見込まれる
■ カール6世とは?
カール6世(Karl VI、1685年10月1日 – 1740年10月20日)は、ハプスブルク家の出身で、神聖ローマ帝国の皇帝(在位:1711年〜1740年)、オーストリア大公、ボヘミア王、ハンガリー王などを兼ねた人物です。
彼の治世は、ヨーロッパの王朝継承と国際政治の大きな転換期にあたり、特に「オーストリア継承戦争」の遠因を作ったことで知られています。
■ 主要な功績・出来事
● スペイン継承戦争(1701年–1714年)
カール6世は若い頃、スペイン王位継承を主張し、「カルロス3世」としてスペイン王に即位しようとしました。
しかし、フランスのブルボン家と対立し、結果として王位獲得は失敗。
最終的にスペインの王位はブルボン家のフェリペ5世に譲られます。
このとき彼を支援したのがイギリスやオーストリアなどの「大同盟」諸国であり、この戦争はヨーロッパ全土を巻き込む大規模な紛争に発展しました。
● プラグマティック・サンクション(1713年)
男子継承者がいなかったカール6世は、自分の娘マリア・テレジアに継承権を与えるために、「プラグマティック・サンクション(国事詔書)」を発布します。
これにより、ハプスブルク家の領土は女性による継承も可能であることを認めさせ、諸国の同意を取り付けようとしました。
しかし彼の死後、その継承をめぐって勃発したのが「オーストリア継承戦争(1740年〜)」です。
● 経済・文化政策
カール6世は経済の発展にも注力し、以下のような事業を進めました。
・ウィーンの都市整備やバロック建築の奨励(シェーンブルン宮殿など)
・東インド会社(オーストリア版)の創設
・貿易港トリエステの発展支援
ただし、その経済政策は過度な軍事支出により重い財政負担も伴いました。
■ 人物像と評価
カール6世は伝統的なハプスブルク家の皇帝らしく、宗教的で保守的な気質を持つ一方、国際政治の現実に直面しながら試行錯誤を続けた苦悩の支配者とも言えます。
彼の最大の功績は、マリア・テレジアへの道を開いたことですが、同時にそれが新たな大戦争を招いたことから、評価は分かれます。
■ カール6世とコイン発行
彼の治世下で発行された金貨や銀貨には、バロック的な豪奢さと、皇帝権威の象徴が色濃く反映されており、現在ではヨーロッパ金貨収集家の間で非常に高い評価を得ています。
ハンブルクなどの自由都市が、彼の名を冠して発行したコインも、当時の帝国との連携や政治的背景を物語る貴重な証拠となっています。
■ まとめ
この「1727年 ハンブルク 2ダカット金貨」は、単なる収集品ではありません。
それは、ヨーロッパの貨幣史と都市の独立精神を象徴する“黄金の証言”です。
そして、鑑定MS63という卓越した保存状態、TOP POPという唯一無二の評価が、その希少性と価値を際立たせています。
今、この歴史と芸術が融合した逸品を手にできる機会は、二度と訪れないかもしれません。
収集家の誇りに、また資産保全の堅実な一手として、このコインをぜひご検討ください。
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