アンティークコイン 1422-61年 フランス シャルル7世 1ロイヤルドール金貨 NGC-MS63
発行年:1422-61年
発行国:フランス(サン=プルサンまたはアンジェ造幣)
鑑定機関:NGC(Numismatic Guaranty Corporation)社、鑑定枚数37枚
グレード:MS63(トップ2グレード)
重量:3.8グラム
直径:28.5ミリ
品位:99.99%金
■ 歴史的背景
この金貨は、ジャンヌ・ダルクの活躍でオルレアンを解放した年、すなわち1429年頃の発行と見られます。
銘文や特徴から、造幣地がサン=プルサンかアンジェかで議論がありますが、研究者ジェラール・クレパンによれば、このタイプ(王の肩の上に百合が2つ、足元に「G」、両手を上に掲げる姿)はアンジェ造幣局の様式に一致しているとのこと。
ただし、点の位置からは確証が持てず、サン=プルサンの可能性も完全には否定できません。
■ 意匠の魅力
表面:+ KAROLVS + DEI – G – RA + FRAИCOV RE – X:「神の恩寵による、フランス人の王・シャルル」
シャルル7世が正面を向いて立つ姿。
頭には王冠、身体には百合の紋章が散りばめられたローブとマントをまとい、両手に王笏を持つ。
背景には百合の紋章(フルール・ド・リス)が一面に広がる。
裏面:+ XPC + VIИCIT + XPC + REGИAT + XPC + IИPERAT:「キリストは勝ち、キリストは支配し、キリストは統べる」
中央に葉飾り付きのトレフォイル十字(クロワ・トレフル)と、その中心に四弁の飾り(クアドリローブ)。
全体を四つの小王冠で囲む、華やかな構図。
■ Gold Coins of the Worldによる評価額
VF:1,500ドル
EF:2,250ドル
※評価額は長年更新されておらず、現在は上昇している可能性が高いです。
■ コインの特徴
1.圧倒的なビジュアル
正面を向いた王、百合に包まれたローブ、両手に王笏。
その姿はまさに「王権神授」の体現。
裏面は荘厳なキリスト讃歌文と葉飾り十字、王冠で囲まれた構図――芸術品としても一級品です。
2.極めて高い保存状態 – MS63
NGCによるグレーディングでMS63(Mint State)を獲得。
現存する同型コインの中で第2位の評価という希少なハイグレード。
600年前の金貨として、ここまで完璧に保存された個体はごくわずか。
3.非常に限られた発行と出現率
Royal d’orの初期発行(第1期)は非常に短命で、鋳造量も限られたもの。
とりわけアンジェ造幣所推定タイプは市場での出現頻度が極めて低く、長期保有に適した希少資産です。
4.投資としての実用価値
インフレ、紙幣の価値下落、金融不安の時代において、中世金貨は「歴史が保証する実物資産」。
絵画や宝石と異なり、税制上の利点も多く、資産分散と相続を意識した富裕層に選ばれるカテゴリーです。
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