【One of First 75 Struck】グレートブリテン 2016年 エリザベスII世 1ソブリン プルーフ金貨 NGC-PF70 UCAM
【商品仕様データ】
発行国: 英国(ロイヤルミント)
発行年: 2016年(エリザベス2世 90歳記念)
額面: 1ソブリン
重量: 7.98g
品位:.9167 (22金)
直径: 22.05mm
表面デザイン: ベネデット・ピストルッチによる聖ジョージと竜(1817年オリジナル・リマスター)
裏面デザイン: ジェームズ・バトラーによる特別肖像(この年限定)
グレード: NGC PF70 Ultra Cameo
特別指定: One of First 75 Struck(初期鋳造75枚)
発行枚数: プルーフ総数9,675枚(そのうちFirst 75は最大75枚のみ)
1.ジェームズ・バトラーによる「彫刻」としてのコイン
通常、英国コインの肖像は、貨幣彫刻家によってデザインされます。
しかし、2016年のこの特別なソブリンのために、王立造幣局(ロイヤルミント)はあえてその伝統を破りました。
白羽の矢が立ったのは、英国を代表する彫刻家、ジェームズ・バトラーでした。
【伝統を覆す革新的なデザイン】
バトラーが手掛けた肖像は、従来のコインデザインとは一線を画しています。

通常のソブリン金貨に見られる「縁のギザギザ(ビーズ飾り)」を大胆に排除。
これにより、コインのフィールド(平地)いっぱいに女王の横顔が浮かび上がり、銘字さえもが空間に浮遊しているような、モダンで洗練された印象を与えます。
【「戴冠」へのオマージュ】
描かれた女王は、1953年の戴冠式で着用された「ジョージ4世のステート・ダイアデム」を身に着けています。
これは若き日の女王を描いた初期のコインと同じ王冠ですが、バトラーはそれを90歳の女王の威厳に合わせて再解釈しました。
粘土とブロンズを知り尽くした彫刻家ならではのタッチは、女王の表情に深みを与え、コインという平面の中に驚くべき立体感(レリーフ)を生み出しています。
この肖像は2016年のプルーフ貨幣にのみ使用され、翌年には通常のデザインに戻されました。
つまり、「この年、このコインでしか手に入らない芸術作品」なのです。
2.なぜ「One of First 75 Struck」なのか?
NGCによる鑑定済みコインの中でも、この個体に付与された「One of First 75 Struck」というラベルは、決定的な価値の差を生み出します。
これは単なる番号ではありません。
「品質の証明」です。
【「初打ち」が意味する、究極の鮮度】
コインの製造において、金型(ダイ)は消耗品です。
何千枚、何万枚とプレスを繰り返すうちに、金型の微細な凹凸は徐々に摩耗し、彫刻の鋭さは失われていきます。
しかし、新しい金型がセットされ、最初に打たれた数十枚はどうでしょうか?
そこには、デザイナーが意図した通りの「最も鋭いディテール」と、鏡のように磨き上げられた「最も深いフィールド」が存在します。
これをEDS(Early Die State:初期金型状態)と呼びます。
「One of First 75 Struck」の指定を受けたこのコインは、ロイヤルミントの製造ラインから最初に生み出された75枚のうちの1枚であることが、厳格な管理プロセスによって証明されています。
それは、後の数千枚とは一線を画す、生まれたての輝きを永遠に封じ込めた個体なのです。
【PF70 Ultra Cameo:完全無欠の証明】
そして、このコインはNGCによってPF70と格付けされています。
「70」という数字は、貨幣グレードにおける頂点です。
5倍の拡大鏡を用いても、いかなる傷、ヘアライン、欠点も見当たらない。
製造された瞬間からカプセルに封入されるまで、人の手に触れることなく完璧な状態で保存された奇跡。
さらに「Ultra Cameo(ウルトラカメオ)」の称号は、肖像の「フロスト(つや消し)」部分と、背景の「ミラー(鏡面)」部分のコントラストが極限まで強いことを示します。
バトラーの彫刻的なデザインは、このウルトラカメオの対比によって、まるで浮き彫りのように劇的な視覚効果をもたらします。
「最初の75枚」という希少性。
「PF70」という完全性。
「完璧な状態(PF70)」 「特別な来歴(First 75)」 「唯一無二のデザイン(バトラー肖像)」 「歴史的な金高騰(資産性)」
これら全ての要素が交差する奇跡的な一点。
それが、2016年 エリザベス2世 ゴールド・プルーフ・ソブリン “One of First 75 Struck” です。
このコインは、貴方のコレクションの中で、静かに、しかし力強く、その価値を語り続けることでしょう。



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