アンティークコイン ドイツ 自由都市ザクセン 1639年 ヨハン・ゲオルク1世 1ダカット金貨 PCGS-MS61

ゴールドコイン

アンティークコイン ドイツ 自由都市ザクセン 1639年 ヨハン・ゲオルク1世 1ダカット金貨 PCGS-MS61

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重量:3.45グラム

直径:23.0ミリ

品位:98.6%金

 

 

 

 

 

 

 

 

PCGS社鑑定済み枚数2枚 MS61は1枚でトップ2グレードです。



表面には、右を向いて立つヨハン・ゲオルク1世の全身像が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は頭からつま先まで精巧なプレートアーマー(板金鎧)を身に纏い、右肩に巨大な剣を担いでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

この「剣を担ぐ姿」は、中世以来のザクセン選帝侯の伝統的な図像であるが、1639年という文脈においては、現実の軍事的脅威に対する選帝侯の決意を象徴している。

 

 

 

 

 

 

 

 

刻銘(Legend)は通常、ラテン語で IOH. GEORG. D. G. DVX SAX. I. C. ET M. と記されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは Iohannes Georgius, Dei Gratia, Dux Saxoniae, Iuliaci, Cliviae et Montium(神の恩寵によるザクセン、ユーリヒ、クレーヴェ、ベルク公ヨハン・ゲオルク)の略称である。

 

 

 

 

 

 

 

 

実際にこれらの全ての領土を実効支配していたわけではないが、称号を維持することは、神聖ローマ帝国内における法的な権利と威信を主張するために不可欠であった。



裏面には、複雑に構成されたザクセン選帝侯の紋章が配されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

盾の中央には、黒と金の横縞に緑の斜め帯(クランツリン、rue wreath)をあしらった、アルベルティン家の基本紋章が配置されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

盾の周囲には、ザクセンが領有を主張する様々な地方(チューリンゲン、マイセン、ラウジッツ、ランツベルク、オルラミュンデなど)の紋章が組み合わされており、選帝侯領の広がりと歴史的正統性を誇示している。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、盾の上部には選帝侯の証である帽子(Kurhut)が描かれ、盾の背後または周囲には帝国の「大元帥(Arch-Marshal)」であることを示す2本の交差した剣が配置されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

この大元帥の称号は、選帝侯の中でもザクセン家が持つ特権であり、皇帝の戴冠式において剣を捧げ持つ役割を担うことを意味する。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦時下においてこの「剣の象徴」を貨幣に刻むことは、ヨハン・ゲオルク1世が帝国秩序の守護者であることを改めて強調するものであった。


・ザクセン選帝侯ヨハン・ゲオルク1世の統治と三十年戦争

 

 

 

ヨハン・ゲオルク1世(1585–1656)は、1611年に兄クリスティアン2世の跡を継いでザクセン選帝侯に就任した。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の45年間にわたる長期統治は、ほぼその全期間が三十年戦争の影に覆われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ザクセンは神聖ローマ帝国内においてプロテスタント諸侯のリーダー的立場にありながら、地理的にハプスブルク家の本領であるボヘミアに隣接していたため、常に二国間、あるいは多国間の軍事的圧力にさらされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨハン・ゲオルク1世の政治姿勢は、一貫して「皇帝への忠誠」「ルター派信仰の護持」の間で揺れ動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は、マルティン・ルターが説いた「世俗の権力に従うべし」という教えを忠実に守り、初期のボヘミアの反乱(1618年)に際しては、プロテスタント側の勝利ではなく、皇帝フェルディナント2世への協力を選択した。

 

 

 

 

 

 

 

 

この協力の代償として、彼は上・下ラウジッツ領を獲得し、領土の拡大に成功したが、この外交的成功は後にスウェーデンやフランスといった列強の介入を招く一因となった。


Gold Coins of the Worldでは

 

VF           1,250ドル

EF           2,500ドル

 

 

 

基準価格は、更新されておらず、実際の相場価格を

大きく下回っています。


本金貨は、三十年戦争という未曾有の動乱期における、政治、軍事、経済、そして芸術の統合体です。

 

 

 

 

 

 

 

 

それはバネール将軍の猛攻によって壊滅的な打撃を受けたザクセンの「軍事的防衛の必要性」と、ドレスデン造幣局が維持し続けた「冶金的・行政的卓越性」の両面を象徴しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

貨幣学的な観点からは、MS61という高い保存状態は、この歴史の証人を製造当時の姿に近い形で現代に伝えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、セバスティアン・ディトマーによる「SD」の刻印は、戦時下の混乱にあっても厳格な品質管理が継続されていたことの証明です。

 

 

 

 

 

 

 

 

この金貨を手にすることは、単なる貴金属を所有することではなく、神聖ローマ帝国の黄昏時における選帝侯の苦渋の決断と、荒廃した土地で信仰と権威を守ろうとした人々の記憶を共有することに他なりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ザクセンが最も困難な時期に発信した「主権と威信のメッセージ」として、永劫に評価されるべき文化的遺産です。

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