グレートブリテン 1627-28年 チャールズ1世 ゴールド・ユナイト金貨 PCGS-AU55
1627-28年発行
発行枚数不明
PCGS社鑑定済み5枚、AU55は4枚でトップ2グレードです。
重量:9.04グラム
直径:34.0ミリ
品位:99.48%金
表面:チャールズ1世の肖像

表側には、左を向いた王の「第2の王冠を被り、ラフ(襞襟)と鎧、マントを纏った胸像」が描かれている。
・ラフ(襞襟)の表現:エリザベス朝から継承された硬い襞襟(Ruff)は、この時期の肖像の大きな特徴である。
のちのGroup D以降では、より柔らかいレースの襟(Falling lace collar)へと変化するため、ラフの有無は年代特定の決定的な要素となる。
・鎧とマント:王は戦闘用の鎧を着用し、その上からマントを羽織っている。
これは、戴冠式の豪華なローブを描いたGroup Aの平和的なイメージから、より軍事的な権威を強調するイメージへの移行を示唆している。
・価値記号「XX」:王の頭部の後方には、ローマ数字の「XX」が刻印されている。
これは20シリングという額面を示す記号であり、ユナイト金貨の標準的な意匠である。
・周囲の銘文:ラテン語で「.CAROLVS. D; G’ MAG; BR; FR; ET. HI; REX.」と記されており、「神の恵みによる、グレートブリテン、フランス、アイルランドの王チャールズ」という意味を持つ。

裏面:王冠と盾の紋章
裏側には、王冠を戴いた四分割の盾(Royal Arms)が描かれている。
・盾の形状:Group Bでは、盾の上部が四角い「Square-topped shield」が採用されており、縁には僅かな装飾が施されている。
・王冠の配置:盾の上の王冠は、内側のビーズで形成された円を突き抜けるように配置されており、意匠としての力強さを演出している。
・銘文「FLORENT CONCORDIA REGNA」:前述の通り、「調和を通じて王国は繁栄する」という意味の銘文が周囲を囲む。
この銘文の前後には、造幣管理上の「城」のマークが配置されている。
基準価格
Coins of Englandでは
F 950ポンド
VF 3,000ポンド
・チャールズ1世

1.ステュアート朝の政治思想とユナイト金貨の創出
ユナイト金貨という名称そのものが、ステュアート朝の政治的プロパガンダの産物である。
1603年、エリザベス1世の崩御に伴いイングランド王位を継承したジェームズ1世(スコットランド王ジェームズ6世)は、イングランドとスコットランドの両王国を法的に統合しようと試みた。
この野心は議会の反対により完全な結実を見ることはなかったが、貨幣制度においては「ユナイト(Unite:統一)」という名称を冠した新金貨を1604年に導入することで、その意志を象徴させた。
当初、ユナイト金貨は20シリング(1ポンド)の価値を持つものとして導入されたが、当時の欧州における金銀比価の変動に伴い、国内からの金流出を防ぐため、1611年には22シリングへと改定されるなどの変遷を辿った。
1625年に父の跡を継いで即位したチャールズ1世は、この「統一」の象徴を自らの貨幣体系にも引き継いだ。
彼の第2次貨幣鋳造期(Second Coinage)において、ユナイト金貨は再び20シリングの価値に固定され、王の肖像と王家の紋章を配した新しい意匠で発行されることとなった 。
この時期の鋳造は、王権神授説を信奉し、議会との対立を深めていくチャールズ1世の政治的姿勢を反映しており、貨幣の裏面に刻まれた銘文「FLORENT CONCORDIA REGNA(調和を通じて王国は繁栄する)」は、皮肉にも国内の不和が加速する中で刻まれ続けた象徴的な言葉である。
1627-28年発行
発行枚数不明
PCGS社鑑定済み5枚、AU55は4枚でトップ2グレードです。
重量:9.04グラム
直径:34.0ミリ
品位:99.48%金
非常に人気なゴールド・ユナイト金貨です。



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