アンティークコイン ベルギー ブルゴーニュ公国 1433-67年 エノー伯領フィリップ3世 1ライオン・ドール金貨 NGC-AU58

ゴールドコイン

アンティークコイン ベルギー ブルゴーニュ公国 1433-67年 エノー伯領フィリップ3世 1ライオン・ドール金貨 NGC-AU58

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1433-67年発行(ヴァランシエンヌ造幣所)

発行枚数:260,683枚

 

 

 

 

 

 

 

 

NGC社鑑定済み4枚、AU58は2枚でトップグレードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

重量:4.21グラム

直径:30.0ミリ

品位:95.8%金


表面:左を向いて座るライオン


表面は、左を向いて座るライオンである。

 

 

 

 

 

 

 

 

このライオンはゴシック様式の天蓋の下に配置されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ライオンは勇気と王権の象徴であり、エノー伯領やフランドル伯領の紋章にも深く根ざしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

天蓋の下でライオンが座る姿は、聖母マリアや聖人が天蓋の下に配置される宗教画の構図と共通しており、フィリップ善公の統治が神聖な保護下にあることを暗示している。

 

 

 

 

 

 

 

 

ライオンの両脇には、ブルゴーニュ公の個人的なエンブレムである「火打ち金」が配置され、そこから火花が飛び散る様子が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

刻印(Legend):PHS DEI GRA DVX BVRG COMES HANOIE

翻字:Philippus Dei Gratia Dux Burgundiae Comes Hanoniensis

和訳:神の恩寵によるブルゴーニュ公、エノー伯フィリップ

 

 

 

 

 

 

 

 

この刻印において、フランドル発行分はCOM FLAND、ブラバント発行分はDVX BVRG ET BRABとなるため、COMES HANOIEの銘がある本貨は、エノーにおける独立した伯としてのアイデンティティを明示している。


裏面:ブルゴーニュの紋章



裏面には、ブルゴーニュの紋章を刻んだ盾が、葉の装飾が施された十字架の上に重ねられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

この紋章は、フィリップ善公が支配する広大な領地の複雑な構成を反映しており、盾の中にはさらに小さな区画(クォーター)が設けられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

刻印(Legend):+ SIT NOMEN DOMINI BENEDICTVM AMEN

和訳:主の名が讃えられますように、アーメン

 

 

 

 

 

 

 

 

刻印の最後には、再び「火打ち金」の記号が配されることがあり、これは造幣局や発行時期を示すマークとしての役割も果たしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

この宗教的な文言は、中世の金貨において一般的ではあるが、フィリップ善公の篤い信仰心と、キリスト教世界における彼の正統性を強調するものであった。


基準価格

 

Gold Coins of the Worldでは

VF              1,250ドル

EF              2,500ドル


1.フィリップ善公とブルゴーニュ国家の台頭

 

 

 

フィリップ善公は、1396年にディジョンで生まれ、1419年に父「無怖公(ジャン・サン・プール)」がモンテローで暗殺されたことを受けて公位を継承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は15世紀のフランス王家(ヴァロワ朝)の分家でありながら、巧みな外交と軍事力を駆使して、フランスとイングランドの対立(百年戦争)を利用し、独立した強大な勢力を築き上げた。


【領土拡大と統合の政治学】

 

 

 

フィリップ善公の最も顕著な功績は、バラバラであった封建領地を一つの政治的一体へと統合したことにある。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は以下のような変遷を経て領土を拡大した 。

 

 

 

1429年:ナミュール伯領をナミュール侯ジャン3世から購入により併合。

1430年:ブラバント公国およびリンブルフ公国を相続。

1433年:エノー、ホラント、ゼーラントの女伯ジャクリーヌ・ド・バヴィエールを「フックとコッド戦争」の結果として破り、これらの領地を正式に取得。

1443年:ルクセンブルク公国を併合。

 

 

 

 

 

 

 

 

この広大な領土の拡大は、ブルゴーニュ公をフランス王に匹敵する、あるいはそれを凌駕する富を持つ君主へと押し上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

1467年に彼が没した際、ヨーロッパで最も裕福な領主と呼ばれたのは、決して誇張ではない。


【貨幣統合政策とライオン・ドールの誕生】

 

 

 

フィリップ善公は、その治世において3回の大規模な貨幣発行(エミッション)を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

・第1回エミッション(1433年1月23日公布):フィリップ善公はフランドル、ブラバント、ホラント、エノーの4地域で共通の銀貨「フィアランダー(Vierlander)」を導入した。

金貨としては「カヴァリエ・ドール(Cavalier d’Or、黄金の騎士)」が発行された。

 

 

 

・第2回エミッション(1454年6月11日公布):ここで初めて「ライオン・ドール(Lion d’Or)」が導入された。

これは「カヴァリエ・ドール」に代わる新しい標準金貨としての役割を担った。

 

 

 

・第3回エミッション(1466年5月23日公布):ブルゴーニュ・ギルダーの製造が命じられ、統一的な通貨管理がさらに進展した。

 

 

 

 

 

 

 

 

本貨、エノーのライオン・ドールは、この第2回エミッション(1454年〜1466年頃)に属するものである。


1433-67年発行(ヴァランシエンヌ造幣所)

発行枚数:260,683枚

 

 

 

 

 

 

 

 

NGC社鑑定済み4枚、AU58は2枚でトップグレードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

重量:4.21グラム

直径:30.0ミリ

品位:95.8%金


本貨は、その歴史的背景、希少性、そして芸術的価値において、中世ヨーロッパ金貨のコレクションの中で際立った地位を占めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァランシエンヌ造幣局の高い技術力によって生み出されたこの個体は、当時の地金飢饉という困難な経済状況下で、いかにブルゴーニュが安定した価値を提供し続けたかを示す実例です。

 

 

 

 

 

 

 

 

アンティークコイン市場における本貨の将来性は極めて明るいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

世界的な金融の不透明感が高まる中、現物資産としての希少金貨、特に歴史的背景が豊富なブルゴーニュ金貨への関心はこれからも一層高まることが予想されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

AU58というハイグレード個体を保有することは、単なる経済的投資を超え、西洋史の転換点を自らの手元に置くという知的かつ文化的な営みそのものであると言えるでしょう。

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