イギリス領ジブラルタル 1989年 ウナとライオン 2ポンド(2ソブリン)金貨 NGC-PF70 UCAM
1989年発行(ポブジョイ造幣局)
発行枚数:1,989
NGC社鑑定済み139枚、PF70は27枚でトップグレードです。
重量:15.94グラム
直径:28.40ミリ
品位:91.70%金
表面:ウナとライオン

表面は、ウィリアム・ワイオンの「ウナとライオン」を現代風にアレンジしたものである。
女王ヴィクトリア(ウナ)がライオンを先導する姿の周囲に、ラテン語で
「MONETA REGIA GIBRALTARICA(ジブラルタル王室貨幣)」、
「MCMLXXXIX(1989)」、
「SESQUICENTENARIUM(150周年)」の文字が刻まれている 。
この複雑な文字配置は、プルーフ鏡面仕上げの背景に対して非常に高いコントラストを生み出しており、これが「Ultra Cameo」評価の要となっている。

裏面:エリザベス2世女王の第3次肖像

裏面には、ラファエル・マクルーフ(Raphael Maklouf)によって描かれたエリザベス2世女王の第3次肖像が採用されている。
女王の首元にはデザイナーのイニシャル「RDM」が刻まれており、周囲には「ELIZABETH II GIBRALTAR・1989」の文字が配されている。
1.1989年ジブラルタル発行 ウナとライオン 2ポンド金貨
1839年にウィリアム・ワイオンが刻んだ「ウナとライオン」の5ポンド金貨は、イギリス貨幣史上最も美しいデザインとして広く認識されている。
それから150年を経た1989年、イギリスの海外領土であるジブラルタルは、この伝説的な意匠を現代に蘇らせるべく、ポブジョイ・ミント(Pobjoy Mint)を通じて記念金貨シリーズを発行した。
2.「ウナとライオン」意匠の継承
「ウナとライオン」の意匠は、16世紀の詩人エドマンド・スペンサーによる叙事詩『妖精の女王(The Faerie Queene)』の一節を題材としている。
作中で「真実」を象徴する王女ウナが、その美しさと高潔さによって荒れ狂うライオンを従え、守護者へと変える物語は、1839年当時、若きヴィクトリア女王がイギリス帝国という強大な力を導く姿に重ね合わされた。
1989年のジブラルタル版は、この意匠の誕生から150周年、すなわち「王室貨幣150周年(150th Anniversary of Regal Coinage)」を祝して発行されたものである。
ジブラルタルによるこの発行は、単なるデザインの模倣にとどまらず、イギリス貨幣の伝統を海外領土の視点から再解釈する試みであった。
ポブジョイ・ミントはこの歴史的な節目を強調するため、デザインに古典的なワイオンの様式を忠実に再現しつつ、ジブラルタルの象徴である「鍵」をライオンの足元に配置するという独自の意匠変更を加えた。
この「鍵」は、地中海の入り口を扼するジブラルタルの地政学的な重要性を象徴しており、イギリス本国の貨幣とは異なるアイデンティティを付与している。
【1989年という年次が持つヌミスマティクス上の意味】
1989年はイギリス貨幣界において非常に重要な年であった。
イギリス本国のロイヤル・ミント(Royal Mint)では、1489年の最初の金ソブリン発行から500周年を記念した特別なソブリン金貨が発行されていた。
一方でジブラルタルは、1839年のヴィクトリア女王の貨幣改革および「ウナとライオン」の150周年という別の歴史軸を祝っていたのである。
このように、1989年は二つの重要なアニバーサリーが重なった年であり、金貨収集家にとっては非常に密度の高い収集対象となっている。
1989年発行(ポブジョイ造幣局)
発行枚数:1,989
NGC社鑑定済み139枚、PF70は27枚でトップグレードです。
重量:15.94グラム
直径:28.40ミリ
品位:91.70%金
イギリス海外領土ジブラルタルが1989年に発行した「ウナとライオン」2ポンド金貨は、ウィリアム・ワイオンの不朽の名作へのオマージュでありながら、ポブジョイ・ミントの技術力とジブラルタルの地政学的な自負を融合させた傑作です。
「王室貨幣150周年」という記念碑的な意義、2,000枚未満という極めて限定的な発行枚数、そしてNGC PR70 Ultra Cameoという至高の保存状態。
これら全ての要素が完璧なバランスで調和している本貨は、コレクターにとっては「究極のコレクション」、投資家にとっては「金相場上昇を捉えつつ、さらなるプレミアムを狙える実物資産」として、今後もその輝きを増し続けるでしょう。
2026年という新たな金相場の時代において、この金貨を所有することは、1839年から続くイギリス貨幣の栄光の歴史の一端を担うことに他なりません。


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