【The Great Engravers】グレートブリテン 2026年 ウィリアム4世 クラウン 2オンス金貨 NGC鑑定 箱付き
2026年発行:英国王立造幣局
発行枚数:150枚(セット販売分などを含めた最大発行枚数は175枚)
重量:62.42グラム
直径:40.0ミリ
品位:99.99%金
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裏面:マントを纏った盾(Crowned and Mantled Shield)

2026年版ウィリアム4世クラウンの裏面には、ジャン・バティスト・メルレンが1831年に完成させた「マントを纏った盾(Crowned and Mantled Shield)」の意匠が忠実に再現されている。
このデザインは、単なる装飾を超え、当時の大英帝国とハノーヴァー選帝侯領の結びつきを示す政治的な意味合いを強く持っている。
中央の盾には、英国を構成する諸国の紋章が配置されている。
3頭のライオン(イングランド)、跳ねるライオン(スコットランド)、そしてハープ(アイルランド)である。
さらに、盾の中心部には「インエスカッシャン(小盾)」としてハノーヴァー家の紋章が配されている。
ハノーヴァーの紋章には、ドイツの歴史に深く根ざした象徴である「白い馬」が描かれており、その上部にはハノーヴァーが王国となったことを示す王冠が冠せられている。

このシールドは、英国最高位の騎士団であるガーター勲章のカラー(首飾り)によって囲まれている。
カラーの下部には、聖ジョージが龍を退治する図像である「グレート・ジョージ」が吊り下げられており、君主の権威と騎士道の伝統を強調している。
さらに、これらの要素全体を包み込むのは、角が結ばれた豪華なエルミンのマント(毛皮の裏地付きマント)である。
このマントの表現は、メルレンの細密な彫刻技術が最も発揮された部分であり、布の質感やドレープの重なりが、2オンス金貨という大きなキャンバスの上で圧倒的な立体感をもって再現されている。
2026年版独自の変更点として、碑文(レジェンド)が挙げられる。
オリジナルのコインには「ANNO 1831」と刻まれていたが、2026年のリマスター版では「INSIGNIA GULIELMI IV BRITANNIAE REGIS(英国王ウィリアム4世の紋章)」というラテン語の碑文が採用されている。
これにより、単なる日付の記録ではなく、ウィリアム4世の治世とメルレンの芸術を讃える記念碑としての性格が強められている。

表面:チャールズ3世の肖像
2026年版の表面には、現代の英国コインの公式肖像である国王チャールズ3世の無冠の横顔が描かれている。
この肖像は、彫刻家マーティン・ジェニングスによって制作されたもので、国王が左を向いているのが特徴である。
英国の貨幣伝統では、新しい君主が即位するたびに肖像の向きを交互に変えることになっており、右を向いていたエリザベス2世女王に対し、チャールズ3世は左を向いている。
碑文には「CHARLES III · D · G · REX · F · D · 200 POUNDS · 2026 ·」と記されている。
これは「神の恩寵による国王、信仰の守護者 チャールズ3世 200ポンド 2026年」を意味する。
1831年のオリジナル版では、ウィリアム・ワイオンが手がけたウィリアム4世の無冠の肖像が使用されていたが、現代のリマスター版でチャールズ3世の無冠の肖像を採用したことは、視覚的な一貫性を保つと同時に、19世紀と21世紀の君主制を繋ぐ象徴的な演出となっている。
・彫刻家ジャン・バティスト・メルレンの生涯と芸術的遺産
英国貨幣史において、ジャン・バティスト・メルレン(1769-1850)は、その卓越した技術にもかかわらず、しばしば同時代のウィリアム・ワイオン(William Wyon)やベネデット・ピストゥルッチ(Benedetto Pistrucci)の影に隠れがちな存在であった。
しかし、2026年の本コレクションへの採用は、彼の芸術的地位を再定義する重要な転換点となる。
メルレンはフランスに生まれ、そのキャリアをパリ造幣局でスタートさせた。
彼はナポレオン・ボナパルトの治世下で頭角を現し、1804年のナポレオン皇帝戴冠記念メダルの制作に携わるなど、フランス第一帝政の公式な彫刻家・メダリストとして活躍した。
しかし、1815年のワーテルローの戦いでのナポレオンの敗北を受け、メルレンは新たな活躍の場を求めてロンドンへと渡る。
1820年、ウィリアム・ウェルズリー・ポールによって英国王立造幣局に採用された彼は、ベネデット・ピストゥルッチの助手として、新国王ジョージ4世の通貨制作を支援する役割を担った。
当時の規定により、外国籍の人間は造幣局の正職員(Chief Engraver)としての地位を永久的に保持することができなかったため、メルレンは「臨時彫刻助手(Extra Assistant Engraver)」という肩書きを与えられた。
しかし、その制約は彼の多作な才能を妨げるものではなかった。
彼は1820年のハーフクラウン、1822年に導入されたモーディー・マネー、そして1825年に導入された「シールド・バック」ソブリン金貨など、数多くの裏面デザインを手がけた。
メルレンの最大の功績は、複雑な紋章学(ヘラルドライ)を、コインという限られた円形の空間の中に、ネオ・クラシック様式の規律をもって美しく調和させた点にある。
彼のデザインしたシールド・バックのモチーフは、ヴィクトリア女王の治世である1887年まで、実質的に40年以上にわたってソブリン金貨に採用され続けたという事実は、そのデザインの完成度と持続的な魅力を証明している。
・1831年クラウン銀貨:幻の傑作の誕生
2026年の金貨デザインの元となったオリジナル1831年クラウンは、英国貨幣学において最も希少なコインの一つとして知られている。

このコインはウィリアム4世の治世において、一般流通を目的として発行されたものではなく、1831年の戴冠式を祝うための特別なプルーフ・セットにのみ含まれていた。
ウィリアム4世は1830年に兄ジョージ4世の死去に伴い、64歳で即位した。
これは当時、英国史上最高齢での即位であった(2022年にチャールズ3世が即位するまでこの記録は保持されていた)。
彼の治世は1837年までのわずか7年間であったが、その通貨デザインはウィリアム・ワイオンによる肖像と、ジャン・バティスト・メルレンによる紋章デザインの融合によって、極めて高い芸術性を誇っている。
1831年のプルーフ・セットは、当初わずか100セットのみが制作された。

後の記録によれば、最終的に製造されたセット数は約220セットに上る可能性があるが、それでも貨幣市場におけるその希少性は極めて高い。
セットには2ポンド金貨、ソブリン金貨、ハーフソブリン金貨に加え、本デザインの源泉となったクラウン銀貨などが含まれていた。
今現在、オリジナルの1831年クラウン金貨が市場に出ることは極めて稀であり、「グレートブリテン 1831年 ゴールドクラウン NGC PF 66★ 」が、€984,000(約114万8千米ドル)で落札された記録がある。
この歴史的な希少性が、現代の「偉大なる彫刻家」シリーズにおける再構築に際して、収集家からの圧倒的な関心を集める一因となっている。
2026年発行:英国王立造幣局
発行枚数:150枚(セット販売分などを含めた最大発行枚数は175枚)

重量:62.42グラム
直径:40.0ミリ
品位:99.99%金
「2026年 ウィリアム4世 クラウン 2オンス金貨」は、歴史的な希少性、最新のリマスタリング技術、最高純度の素材、そして「The Great Engravers」シリーズという確立されたブランド価値が完璧に融合した一品です。
ジャン・バティスト・メルレンが1831年に戴冠式のために魂を込めて制作したデザインが、約200年の時を経て、新たな国王チャールズ3世の治世に最新の技術で蘇ったことは、英国貨幣史の連続性と進化を象徴する出来事です。
限定150枚という極めて高い希少性は、将来的な価値の維持および上昇の可能性を強く示唆しており、単なる貴金属への投資を超えた、人類の芸術的遺産への投資としての側面を持っています。
本コインを手にすることは、19世紀の「彫刻助手」が遺した卓越した美学を、21世紀の最高水準で所有することを意味するのです。


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