グレートブリテン クイーンズビースト イングランドのライオン 2017年 1オンスプルーフ金貨 箱付き
発行枚数:1,000枚
重量:31.21グラム
直径:32.69 mm
品位:99.9%金
NGC鑑定を希望の場合は別途費用30,000円が掛かります。
裏面

1.クイーンズ・ビースト・シリーズの起源
クイーンズ・ビースト・シリーズは、2016年にロイヤル・ミントが開始した壮大なプロジェクトであり、英国王室の歴史を象徴する10の紋章獣(ヘラルディック・ビースト)をテーマとしている。
このシリーズの歴史は、1953年6月2日、ウェストミンスター寺院で行われたエリザベス2世の戴冠式にまで遡る。
【1953年戴冠式における紋章獣の役割】
エリザベス2世の戴冠式に際し、寺院の入り口には、女王の先祖と血統を象徴する10体の巨大な彫像が設置された。
これらの彫像は、英国公共事業省の委託を受けた彫刻家ジェームズ・ウッドフォードRA(ロイヤル・アカデミシャン)によって制作されたものである。
ウッドフォードは、このプロジェクトに対して2,750ポンドの報酬を受け取ったと記録されている。
これらの彫像は「クイーンズ・ビースト(女王の猛獣たち)」と呼ばれ、高さは約6フィート(約1.8メートル)、重さは約700ポンド(約320キログラム)に達した。
材質は石膏で作られていたため、当初は屋外での永久的な展示を想定していなかったが、それぞれの彫像は女王の系譜に関連する特定の家系の紋章を掲げた盾を保持しており、新君主の正統性を視覚的に示す重要な役割を果たした。
2.「イングランドのライオン」の紋章学的意義
10の紋章獣の中で最初を飾るのが「イングランドのライオン」である。
ライオンは12世紀以来、イングランドの象徴として用いられており、勇気、力、尊厳、そして誇りを体現している。
【ライオン紋章の起源と進化】
イングランド王室におけるライオンの採用は、1127年にヘンリー1世が義理の息子ジョフロワ・プランタジネットにライオンをあしらった盾を贈ったことに端を発するとされる。
その後、リチャード1世(獅子心王)が1198年に「3頭のライオン(正式な紋章学用語ではレオパード、またはライオン・パサン・ガルダン)」を公式の紋章(ロイヤル・アームズ)として確立したことで、伝統が定着した。
紋章学的な詳細を分析すると、イングランドのライオンは単なる動物ではなく、特定の地位を示す「サポーター(盾持ち)」としての役割を担っている。
2017年の金貨に描かれたライオンは、エリザベス2世が継承した連合王国の紋章を掲げており、その盾には以下の要素が含まれている。
・第1および第4四半部:イングランドの3頭のライオン(リチャード1世に由来)
・第2四半部:スコットランドのライオンと二重のトレッシャー
・第3四半部:アイルランドのハープ
このように、ライオンのデザイン自体が、イングランドのみならず英国全体を支える守護者としての王権を象徴しているのである。
3.ジョディ・クラークによる芸術的デザイン
2017年の1オンス金貨プルーフの意匠を担当したのは、ロイヤル・ミントの気鋭のコイン・デザイナー、ジョディ・クラークである。
クラークは、2015年にエリザベス2世の第5次肖像(現行の肖像)を手掛けたことで世界的に有名になった人物であり、本貨においても表面の女王肖像と裏面の紋章獣の両方をデザインしている。
【ライオン・ランパント(立ち上がったライオン)の動的表現】
クラークはデザインに際し、カナダの博物館に現存する実物の彫像や、ロンドンのキューガーデンにあるポートランド石製のレプリカからインスピレーションを得た。
彼は、静的な彫像をコインという円形の平面に落とし込むだけでなく、そこに「生命」と「動き」を吹き込むことを重視した。
裏面に描かれたライオンは、伝統的なイングランドの紋章に見られる「歩く姿」ではなく、後肢で立ち上がった「ランパント(立ち姿)」で表現されている。
この姿勢は軍事的な力と威厳を象徴しており、開いた口(咆哮する姿)や鋭い爪の描写は、野性的な力強さと洗練された紋章美を同時に提示している。
【表面:第5次女王肖像の統合】
コインの表面(オブバース)には、クラーク自身がデザインした女王エリザベス2世の肖像が刻まれている。
これは2015年以来、英国の流通硬貨に使用されている公式な肖像であり、女王がジョージ4世のステート・ディアデム(王冠)を着用している姿を描いている。
クラークはこの肖像を通じて、女王の慈愛に満ちた表情と、君主としての重厚な存在感を両立させることに成功した。
発行枚数:1,000枚
重量:31.21グラム
直径:32.69 mm
品位:99.9%金


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