イギリス領ジブラルタル 1997年 ウナとライオン 2ポンド(2ソブリン)金貨 NGC-PF70 UCAM
1997年発行(ポブジョイ造幣局)
発行枚数:不明
NGC社鑑定済み46枚、PF70は11枚でトップグレードです。
重量:14.64グラム
直径:30.0ミリ
品位:99.99%金
表面:ウナとライオン

表面は、ワイオンのオリジナルを忠実に再現しつつ、ジブラルタルの領土通貨としての独自性が加えられている。
意匠の中央には、王笏を手にしたウナ(ビクトリア女王)と、彼女に寄り添うライオンが配置されている。
周囲の伝説(レジェンド)には、ラテン語で MONETA REGIA GIBRALTARICA(ジブラルタル王室貨幣)と刻まれている。
下部の基壇部分には、ローマ数字で発行年を示す MCMXCVII (1997) と、額面 TWO POUNDS、そして金属品質を示す Au. 999·9 が記されている。

裏面:エリザベス2世女王の第3次肖像

裏面には、ラファエル・マクルーフ(Raphael David Maklouf)によってデザインされたエリザベス2世女王陛下の肖像が描かれている。
これは「第3次肖像」と呼ばれるもので、女王がジョージ4世のステート・ディアデム(王冠)を着用している姿が特徴的である。
刻印には ELIZABETH II GIBRALTAR · 1997 と記されており、肖像の切断部にはデザイナーのイニシャル RDM が、そして鋳造所を示す PM のミントマークが確認できる。
1.1997年ジブラルタル発行 ウナとライオン 2ポンド金貨
1997年に英国海外領土ジブラルタルより発行された、エリザベス2世女王陛下戴冠45周年(サファイア・ジュビリー)前夜の「ウナとライオン」2ポンド金貨は、現代貨幣学において、芸術的遺産と市場の希少性が交差する極めて特異な地点に位置している。
本貨幣は、サレー州に拠点を置く民間造幣所ポブジョイ・ミント(Pobjoy Mint)によって鋳造され、19世紀の巨匠ウィリアム・ワイオンによる不朽のデザインを現代に蘇らせたものである。
しかし、主要なカタログにおいて「KM-Unl(Krause-Mishler未掲載)」という評価がなされていることから、その存在自体が一種の「発見」として扱われることが多い。
2.「ウナとライオン」意匠の継承
ウィリアム・ワイオンがこのデザインの着想を得たのは、1590年にエドマンド・スペンサー(Edmund Spenser)が発表した叙事詩『妖精の女王(The Faerie Queene)』である。
この物語の中で、王女ウナ(Una)は「真実」と「純潔」を体現するキャラクターとして描かれる。
彼女の両親である王と王妃が邪悪なドラゴンによって塔に幽閉された際、彼女は救出の旅に出るが、その道中で獰猛なライオンに遭遇する。
しかし、ライオンはウナのあまりの美しさと純真さに圧倒され、彼女を襲う代わりにその足に口づけし、彼女の守護者となる決意をする。
ワイオンは、このウナを若きビクトリア女王に見立て、ライオンを大英帝国の強大な力になぞらえた。
すなわち、若き女王が帝国の強大な軍事力や政治力を知性と美徳によって導くという、新たな時代の到来を象徴する政治的プロパガンダとしての側面も持っていたのである。
【未掲載(Unlisted)の理由と意義】
ポブジョイ・ミントのような民間造幣所が発行する海外領土向けの記念貨幣は、しばしば極めて少部数の限定生産であったり、特定の販路向けに製造されたりすることがある。
1990年代後半のジブラルタル向け記念金貨の中には、公式な統計がカタログ編集者に届くまでに時間がかかったものや、試験的な打刻に近い扱いで市場に出回ったものも存在する。
しかし、アーサー・フリードバーグ(Arthur Friedberg)による『世界の金貨(Gold Coins of the World)』においては、ジブラルタルの金貨シリーズの一環として「Fr-B2」という参照番号が割り当てられている。
この「Fr-B2」は、ジブラルタルから発行された現代版ウナとライオンのデザイン群を指す包括的なカテゴリであり、このリファレンスが存在することで、機関投資家やオークションハウスは本貨幣の真贋と価値を公的に保証することが可能となっている。
1997年発行(ポブジョイ造幣局)
発行枚数:不明
NGC社鑑定済み46枚、PF70は11枚でトップグレードです。
重量:14.64グラム
直径:30.0ミリ
品位:99.99%金
本金貨は、その希少性、芸術性、そして卓越した品質において、現代金貨の頂点の一つに数えられる。
収集家にとってワイオンの夢を継承する芸術品として、投資家にとってはインフレ耐性の高い希少資産として、この「1997年版」は今後もアンティークコイン市場で特別な注目を集め続けることでしょう。


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