アンティークコイン ハンガリー 無年号 モダン・イシュー 2ダカット金貨 NGC-MS64
重量:6.97グラム
直径:25ミリ
品位:98.6%金
NGC社鑑定済み枚数2枚 MS64は1枚でトップ2グレードです。

本貨の表裏に施された美術意匠は、典型的なハプスブルク帝国時代後期の皇帝肖像やハンガリー王国国章ではなく、ドナウ川流域からカルパティア盆地にかけて古代に割拠した「ケルト人(東ケルト部族)」の模倣貨(イミテーション・コイン)の意匠を再現したものである。
裏には、左を向いて躍動する馬の姿が描かれている。
その周囲を取り囲むように、タツノオトシゴに似た曲線的な抽象図案と、ペレット・イン・アニュレット(中央にドットを持つ小さな同心円)の散らばりが配されている。
これもマケドニア金貨の裏面に描かれていた「戦車(チャリオット)を引く二頭立ての馬」が、長年にわたる伝播と模倣の末に抽象化された結果である。
戦車馭者(charioteer)や戦車そのものは消失し、最終的に一頭の野生的な神馬のみが残り、背景の空間はケルト美術に特徴的な渦巻きやドット、海獣(タツノオトシゴ型)の有機的曲線で満たされた。
この神秘的かつ極めて近代的な造形は、ラ・テーヌ文化期のケルト的精神世界を今に伝えるものであり、クレムニッツの高度な極印製作(ダイ・エングレービング)技術により、23.6カラットの純度の高い金製プランシェット(素地)上で鮮やかに復元されている。


表には、右を向いた抽象化されたアポロの頭部(古代ギリシアの太陽神アポロの肖像が描かれたコインの表面図案)が描かれており、その中央を月桂冠と交差する花飾りのある王笏が貫いている。
王笏の先端部分には左右に広がる翼が添えられ、左下野には三日月の顔が、右下野にはハープのような形状の抽象的な幾何学紋様が配置されている。
この意匠は、美術史および古銭学において「意匠の退化(devoluted design)」と呼ばれる現象を如実に示している。
紀元前4世紀、マケドニア王国のフィリッポス2世が発行したアポロ頭部のゴールド・スターテル金貨は、ヘレニズム美術の写実主義に基づいた見事な肖像であった。
しかし、中欧のケルト人はこの金貨を模倣する過程で、写実的な目、鼻、髪の毛の描写を独自の宇宙観に基づく象徴的パターンや幾何学的なドット、曲線へと分解・再構成した。
アポロの月桂冠は直線的な王笏へと変容し、その周囲には土着の太陽神話や星辰信仰を想起させる三日月の顔やハープ状の聖なるシンボルが添えられることとなった。
重量:6.97グラム
直径:25ミリ
品位:98.6%金
NGC社鑑定済み枚数2枚 MS64は1枚でトップ2グレードです。


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