【John P. Burnham Collection】アンティークコイン グレートブリテン 1764年 ジョージ3世 1/2ギニー金貨 PCGS-MS62
1764年発行
発行枚数不明
PCGS社鑑定済み8枚、MS62は4枚でトップ2グレードです。
重量:4.19グラム
直径:20.0ミリ
品位:91.70%金
表面:ジョージ3世の肖像

表面のデザインは、右を向いたジョージ3世の「第2次月桂冠頭像(Second Laureate Bust)」である。
この肖像は、1761年から1762年にかけて使用された第1次頭像に代わるもので、より威厳のある成熟した王の姿を描いている。
王の髪は後ろでリボンによって結ばれており、頭上には勝利と権威の象徴である月桂冠が戴かれている。
周囲の銘文は「GEORGIVS • III • DEI • GRATIA •」と刻まれており、これは「神の恩寵によるジョージ3世」を意味するラテン語である。
この時代の金貨において、文字の配置や「ストップ(区切り点)」の位置は重要な識別点となる。

裏面:王冠と盾の紋章
裏面には、王冠を戴いた四分割の紋章の盾が配置されている。
この紋章は当時の英国王が主張していた複雑な領土権と地位を物語っている。
・第1分画(左上):イングランド(3頭の獅子)とスコットランド(直立した獅子)の統合紋章。
・第2分画(右上):フランス王位への主張を示すフルール・ド・リス(百合の紋章)。英国王はこの象徴的な主張を1801年まで続けていた。
・第3分画(左下):アイルランドの象徴である竪琴。
・第4分画(右下):ハノーヴァー選帝侯としての紋章。
ハノーヴァー朝の君主であったジョージ3世のドイツとの血縁的繋がりを示している。
銘文は「M • B • F • ET • H • REX • F • D • B • ET • L • D • S • R • I • A • T • ET • E •」と続き、ハノーヴァー選帝侯としての称号を含む長い公式称号が略記されている。
日付の「17 64」は、王冠によって二分される形で盾の上部に配置されている。
基準価格
Coins of Englandでは
F 400ポンド
VF 700ポンド
EF 1,800ポンド
・ジョージ3世

1.ジョージ3世の治世初期とロンドン造幣局の動向
【18世紀中盤の経済背景と金本位制への胎動】
1764年当時、英国は正式には銀本位制を維持していたものの、実質的には金貨が流通の中心となる「事実上の金本位制」へと移行しつつあった。
1717年にアイザック・ニュートンが造幣局長として1ギニーを21シリングと定めて以来、金の価値が銀に対して相対的に高く設定されたため、良質な銀貨は市場から駆逐され、ギニー金貨が主要な流通貨幣となったのである。
ジョージ3世の即位時、ロンドン造幣局(タワー・ヒルに所在)は、新たな君主の肖像を刻んだ貨幣の製造に追われていた。
1764年は、王の肖像デザインが初期の試行錯誤を経て、より洗練された「第2次頭像」へと移行した時期にあたる。
この時期の造幣局の金貨製造能力を検証すると、1764年の総金貨鋳造額は約843,153ポンドであり、これはジョージ3世の治世後期の膨大な鋳造量と比較すると、極めて限定的な規模であったことが分かる。
1764年発行
発行枚数不明
PCGS社鑑定済み8枚、MS62は4枚でトップ2グレードです。
重量:4.19グラム
直径:20.0ミリ
品位:91.70%金
本金貨は、以下の3つの観点から卓越した価値を有しています。
・貨幣学的な希少性:1764年は発行枚数が少なく、流通による磨耗が激しいこのタイプにおいて、未使用状態を保っている個体は極めて限定的です。
特に「浅い打刻」が一般的な中で、本個体のような詳細なディテールは、技術的な例外性を備えています。
・歴史的なコンテキスト:七年戦争終結直後の英国経済を支えた金貨であり、ハノーヴァー朝の君主としての誇りが紋章に刻まれた、政治的意図の強い貨幣です。
・プロバナンスの重要性:イェール大学のキュレーターを務めたジョン・P・バーナム氏という、知性と経験に基づいた選美眼を通過したコインであるという事実は、将来にわたってこの個体の評価を揺るぎないものにするでしょう。
このハーフギニー金貨は、単なる通貨の枠を超え、18世紀の職人技術、王権の象徴、そして20世紀から21世紀にかけての学術的収集活動を繋ぐ、生きた歴史の断片であると言えます。



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