アンティークコイン プロイセン 1737-EGN年 フリードリヒ・ヴィルヘルム1世 1ダカット金貨 PCGS-AU58

ゴールドコイン

アンティークコイン プロイセン 1737-EGN年 フリードリヒ・ヴィルヘルム1世 1ダカット金貨 PCGS-AU58

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1737年発行(ベルリン造幣局)

発行枚数不明

 

 

 

 

 

 

 

 

PCGS社鑑定済み4枚、AU58は1枚でトップ2グレードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

重量:3.45グラム

直径:22.38ミリ

品位:98.6%金


表面:甲冑姿のフリードリヒ・ヴィルヘルム1世の肖像


表面には右を向いた王の胸像が配置されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

この肖像の最大の特徴は、王が着用している重厚な甲冑である。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世が自らを「国家の第1の従僕」と定義し、軍務を最優先事項としていたことを視覚的に示している。

 

 

 

 

 

 

 

 

肖像を取り囲むラテン語の碑文「FRID · WILLH · D · G · REX BOR · EL · BR ·」は、神の恩寵によるプロイセンの王、ブランデンブルクの選帝侯であることを宣言している。

 

 

 

 

 

 

 

 

この肖像のスタイルは、当時のバロック様式の華美な表現を抑え、プロイセン特有の質実剛健を反映している。

 

 

 

 

 

 

 

 

収集家の間では、この時期の肖像は、王の厳格な性格を捉えた「力強い表現」として高く評価されている。


裏面:黒鷲勲章


裏面の中心には、プロイセン最高の騎士団勲章である黒鷲勲章の星章が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

この勲章は1701年に創設され、王族、外国の元首、および国家に多大な功績のあった者だけに授与された。

 

 

 

 

 

 

 

 

星章の周囲には勲章のモットーである「SVVM CVIQVE(スウム・クィクウェ)」が刻まれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

これはラテン語で「各々に各々のものを(To each his own)」を意味するが、プロイセンの文脈では「各々の功績に応じて(To each according to his merits)」と解釈される。

 

 

 

 

 

 

 

 

この言葉は、家柄や情実ではなく、個人の能力と国家への献身によって地位が決まるというプロイセン型実力主義の萌芽を示しており、効率的な官僚機構と強力な軍隊を支える精神的支柱となった。


基準価格

 

Gold Coins of the Worldでは

VF              1,750ドル

EF              3,500ドル


1.プロイセン王国における1737年銘EGNダカット金貨

 

 

 

18世紀初頭のプロイセン王国における貨幣鋳造の歴史は、単なる経済活動の記録に留まらず、北ドイツの一選帝侯領がヨーロッパの列強へと飛躍する過程を物質的に証明するものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

その中でも、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世(在位:1713年-1740年)の統治下で発行された1737年銘ダカット金貨は、プロイセン独自の重商主義、軍事優先主義、そしてベルリン造幣局の技術的転換点を示す極めて重要な遺物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【フリードリヒ・ヴィルヘルム1世と軍隊王の統治哲学】

1737年銘ダカット金貨の歴史的意義を理解するためには、発行者であるフリードリヒ・ヴィルヘルム1世の特異な統治スタイルを検討しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は「軍隊王」として知られ、父フリードリヒ1世が好んだ贅沢な宮廷文化を排し、国家の全資源を軍隊の拡充と行政の効率化に注ぎ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の統治下でプロイセン軍は3万8千人から8万3千人へと倍増し、人口220万人程度の小国ながらヨーロッパ第3位の軍事大国へと急成長を遂げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

この軍事優先の姿勢は、貨幣の意匠にも直接的に反映されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

1737年銘金貨の表面に描かれた王の肖像は、豪華な装束ではなく、重厚な甲冑を身に纏った姿で表現されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、国家の守護者としての王の役割を強調するものであり、プロイセンが軍事力によってその地位を確立しようとしていた時代の精神を体現している。


【重商主義政策と金貨の役割】

フリードリヒ・ヴィルヘルム1世の経済政策は徹底した重商主義に基づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は国内産業、特に軍服を製造するための羊毛産業を奨励し、富の国外流出を防ぐために厳しい輸出入規制を敷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

この文脈において、ダカット金貨は単なる国内の流通手段ではなく、国際貿易における決済手段や軍資金の蓄積としての役割を担っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

1740年の崩御時に彼が残した軍資金は800万ターラーを超えていたとされ、その中には高品質なダカット金貨が多量に含まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

プロイセンのダカットは、当時ヨーロッパで広く信頼されていたヴェネツィアの基準に従い、極めて高い品位を維持していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

これにより、プロイセンは神聖ローマ帝国の内外で経済的な信頼を獲得し、兵士の雇用や軍需物資の調達を有利に進めることが可能となった。


2.造幣局長エルンスト・ゲオルク・ノイバウアー(EGN)の役割

 

 

 

1737年銘金貨の裏面に刻印された「EGN」の文字は、当時のベルリン造幣局長(ミュンツマイスター)であったエルンスト・ゲオルク・ノイバウアーのイニシャルである。

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイバウアー家は代々造幣に携わる名門であり、父ヨハン・ゲオルク・ノイバウアー(IGN)の後を継いで、エルンスト・ゲオルクは1725年9月12日に局長に任命された。

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイバウアーの任期(1725年-1749年)は、プロイセン貨幣がその品質において国際的な名声を確立した時期と重なる。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、彼の経歴は1749年3月19日の拳銃自殺という悲劇的な形で幕を閉じることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

当時の造幣局長は、金属の品位や重量に全責任を負う個人請負に近い立場であり、微細な不足や不正の疑いが法的な追及や破滅に直結する非常に過酷な職務であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の死後、フリードリヒ2世(大王)は造幣管理を完全に国営化し、局長のイニシャルを刻む慣習を廃止して、ベルリンを象徴する「A」のミントマークへと統一した。


1737年発行(ベルリン造幣局)

発行枚数不明

 

 

 

 

 

 

 

 

PCGS社鑑定済み4枚、AU58は1枚でトップ2グレードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

重量:3.45グラム

直径:22.38ミリ

品位:98.6%金


本1737年銘1ダカット金貨は、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世という稀代の統治者が追求した軍事、経済、そして精神的規律の結晶です。

 

 

 

 

 

 

 

 

武装した王の肖像と黒鷲勲章の星、そして「各々に功績に応じたものを」というスローガンは、単なる装飾ではなく、プロイセン国家の設計図そのものを表現しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルリン造幣局長エルンスト・ゲオルク・ノイバウアーの手によって製造されたこの金貨は、当時の最高水準の造幣技術を今に伝えており、PCGS AU-58という優れた保存状態は、300年近い歳月を経てもなお、その「力強いディテール」「魅力的な輝き」を失っていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

収集学的な視点からは、希少なバリエーションである「星の光条が開いたデザイン」を有しており、当時の極印制作の機微を理解するための第一級の史料となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

この金貨を手にするということは、プロイセンが「兵舎の国家」として立ち上がり、後のドイツ統一へと繋がる道を歩み始めた最も重要な瞬間に立ち会うことに他なりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

その市場価値の安定性と上昇傾向は、本貨が持つ深い歴史性と、物質的な品質の高さに対する国際的な評価の表れであると言えるでしょう。

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